スロットルアシストの危険性 [オートバイ]
スロットルアシストというものを、初めてツーリングで使ってみた。
高速道路や、信号の少ない見通しの良い郊外の国道を走る時の疲労軽減には、非常に有効である。
しかし、このスロットルアシストのせいで、危うく事故りかけたのもまぎれもない事実であった。
SR試乗インプレッション~し、振動… [オートバイ]
足の裏の感覚が鈍くなった感じ。
素足になっているのに、厚手の靴下の上から指で押したような、変な感触になったほど。
それほど、振動は、すごい、の一言!
400㏄単気筒エンジンの振動は、まさしく、“聞きしに勝る”レベルのモノでありました。
でもこれさぁ、ヤマハさん、意地になってませんかね。
大きく変わりゆくバイク業界で、変わらないというスタイルでエポックメイキング的なブームを生み出しているブランドだからってさぁ、この振動の残し方は、いくらなんでもやりすぎではなかろうか。
動画で良く指摘されているお尻が痛くなる現象は、私には全く起きなかったが、おそらくオリジナルシートなら、かなり厚目のサイズなので振動は相当抑え込まれているのだろう。ただ、そのかわり、どうしても腰高な感じはする。
センタースタンドをかけたままキックしようと跨ったとき、立ってる時の高さとそんなに下がったような気がしない、どころか、少し視点が高くなったような感じがして、相対的に「馬に跨ったような」高さの感覚に襲われる。
これは、背の低い女子の方では少々引いてしまうレベルかもしれない。が、サスペンションはたぶん柔らかいので、タイヤで接地するとこれがまぁ、さほど気にならなくなる。
でも、足の短い私では、両足ベタは無理で、片方をベタ足にすると片方は前足底で支えるような感じかな(私の身長は169㎝、体重は75kg前後、明らかに内臓脂肪型体形)。体重の軽い方だと、もしかすると沈み込みも少なくて、もっと苦労するかもしれない。
だが、私はかなり座高の高い方だ。
中学生の頃は、身長順に体育館でクラスごとに並ばせられたりするが、イスに座らせられると、後ろのやつからよく、「おい、青三(もちろん仮名)、前が見えねぇよ」と、にやにやしながらからかわれたものだ。
つまり、座高が高いので、立った時身長順に並んだ順番のまま、教室から持ち込んだ学校イスに座ると、前のやつの頭頂が、ちょうど私の目線だったりする。
それをからかわれるのであった。
私は、けっこうな猫背で、気を付けないとすぐに姿勢が悪くなってしまうのだが、それはおそらくこの頃、後ろのやつの視界をなるべく奪わないようにと縮こまっていたせいなのではないか、と想像する。
この猫背のおかげさまで、ひどい逆流性食道炎にも悩まされるようになったこともあった。
つまり、私は、跨る乗り物ならなんでも足つき性はかなり悪い、ので、おそらく、私より身長が多少低くても、体重が軽くてもまず問題なく足をつけるはずである。
ただし、足つき性悪くても、シートカスタマして他の薄めにかえりゃいいや、とか気軽に考えている方は、やはり、「振動でケツが痛くなる」という問題点を指摘するユーチューバ―の方も多いから、きっとそういう方はシートを薄めにしてたりしてるんじゃなかろうかな? だから、少し気を付けた方がよろしいかもしれない。
また、私のマシンはまだ慣らし中だから高速乗ってないので、もし高速で90㌔とか100㌔出したりすると、もしかして振動がビンビンケツにくるのかもしれない。
これからのレポートを待たれたし。
とにかく今はどノーマルSRであるので、まぁ、1年ぐらいはこのまんまで行ってみて、どうしても改善したい部分だけちょこまか変えようかと考えてはいるのだが、おそらく、私は機械音痴なので、自分ではよほど簡単なことしかやらないだろうな…
とりあえず、今は、ワイズギア純正のリアキャリアとサイドガーニッシュ(サイドバックを取りつける時必要なやつ)を発注しているのだが、5月に入らないと入荷しないらしい。
アマゾンとかでいくらでも売っているのだが、さすがに、アマゾンで買ったやつを取りつけて~、と、お店に持ち込むのも気が引けるので、「赤い男爵」さんにお願いしてしまった。そのぐらい、自分で付けろよ、という方も多いだろうし、実際、ユーチューブにも取り付け動画が山ほど投稿されているが、だってさぁ、高速走ってる時に、リアキャリア外れて後ろ走ってる車に激突なんかしちゃったら大変じゃん…
SRのこの振動を体験してしまうと、私の技術レベルは、そんなパターンを心配しなければならないほどなのだ|д゚)コワヤコワヤ…
昔は、本当にナンバープレートが割れたりするほどだったらしいから(今は、プレートの裏に割れないようなラバー、だか、クッション?を付けているような工夫が施されているそうだ)、そんな体験談を耳にしてしまうと神経質な私はダメダメなのだ。
おそらくスマホホルダーも私はつけないだろうな、心配で。
みんなフツーに付けてるけどね。誰か、振動でネジ緩んでスマホ走行中に落っことして壊しちゃったとかいう経験談ある人、いないのかな?
どーしても私は、そういうマイナス思考なので、不安に思うとまず、やらない。でも結局、そういう慎重さが、まぁまぁ“結果的に良い結果”、に、なっていたような?事が多い気がするので、“直感”にはしたがっている。
もしかすると、“チャンス”をたくさん逃しているのかもしれないけれど…
自分でやった方が、逆にツーリングで遠出した時でも工具さえあれば1人でなんとかできるじゃん、と言う方も多いだろうが、私の不器用さは、ちょっと想像を絶する(壁掛け時計の電池を替える時、電池カバーを開けようとしてぶち壊してしまったときもあるほど)ので、プロにお任せできることは、おそらくこれからも全てお任せするつもりだ。
だから、カスタム好きのライダーの方にはこのブログは全然面白くもなんともないものになるのかもしれない。ごめんなさいね。
でも、とにかくそんな心配をつらつらとし続けてしまうほど、このバイクの「振動」は強い。スタンドを立ててアイドリング中、ミラーをのぞき込んで後ろの景色を眺めようとしても、ブルブル震えていて良く見えないから、結局振り返って自分の目で確認したりする。
いやぁ、マジで乗るたんびにネジのゆるみを確認したくなるほどに気になるレベル、とは言っておこう。
ま、そのうち慣れちゃうんだろうけど、最初のウチは心配になってしまう。
さて、「赤い男爵」さんの駐車場、生まれて初めてヤマハSR400のエンジンをかけ、ギアを1速にぶち込んで、店員さんにほがらかに微笑み返し出発!したとたん
まずビビったのが、400ccのエンジンのトルク感!
普通にクラッチを繋いだつもりだったのだが、体がぐいっと後ろに引っ張られるような加速で、あやうくハンドル操作をバタバタぐらぐらしそうになったが、店員さんの視線を痛いほど背中に感じていたので、とにかく腕力総動員でハンドルを無理無理抑え込んで、お店が見えなくなるところまで、平静を装って走り去った。
友人の400cc、ちと違法だが、先輩が乗っていたSRX600(ヤマハのシングルで、確かツインカムの4バルブだったかな?斬新なデザインのかっこいいやつ)に乗らせてもらったことは何回もあるけど、自分のバイクとして所有したのは今回が初めてなので、しみじみ、やっぱ、250ccとは格が違う、というか、力強さの「桁が違う」という、感じ?
街中の渋滞路をフラフラ半クラッチ多用しつつ移動しなければならない時はかえって持て余してしまう感じだけれど、信号待ちの先頭からスタートしたとき、慣らし中で4,000回転以下しか使わなくても、まず、後続車両にあおられるどころか、ぴったりくっついてこられる時は少ない。たいてい、かなり引き離してしまい、次の信号で速度を落とし始めてから後ろに迫ってたりする感じ。
ので、パワー感は全く文句ないのだが、低速で、2、3速あたりのギアを多用して渋滞の車の流れの中を進んでいる時の、ステップから足の裏に響いてくる振動は、これには最初本当に驚いた。マジで、「なんか、外れかけてるわけじゃなかろうな!!?」と、信号待ちの時エンジン回りを目視確認してしまったほどだ。
乗り出し直後の感想…
やっぱ、SRにしたのは、間違いだったのか…?
なんだこの振動は[?]
「あ、ありえねー!」
前マシンのエストレヤもシングルだったじゃん、と言われそうだが、イや全く、レベルが違うよ、痺れ感の。
エストレヤもそら振動はあったけど、でも「おーおー、単気筒じゃ」と無邪気に喜べる程度のビリビリ感で、「なんだ、こんなもんかよぉ、かわいいもんだぜ」てなもんでいつもウキウキし乍ら運転してたけど、SRの最初の印象は、「いったい、これで長距離ツーリングに出かけたら、身体がどうなってしまうのか??」と、還暦間近のこの肉体を、ちとマジで心配するほどの痺れ方が残った。
ので、25キロほど走って自宅に帰るわけだが、初乗り途中、どこか遠回りしてライディングを楽しむ気にもなれず、最短距離で帰宅してしまった、ほ~んのちょっぴりの後悔感とともに。
さて、この【振動】に対する評価、乗り続けているうちに、どのように変化していくのか。
次回から、仙台帰省慣らし完了ツーリング編、またどうぞ~
SR試乗インプレッション~まずは、キックスタート! [オートバイ]
キックスタートができずに、「赤い男爵」さんの駐車場から出発することができなかったらどうしよう…
新しく愛車になるSRを受け取りに、ラストランとなるエストレヤちゃんとの短いライディング。頭の中の心配は、エストレヤを手放す物悲しさよりもまず、それ一色であった。
だって、あまりにも多くのネット上の動画で、警鐘(?)を鳴らす画像があふれかえっていて、そら、誰だってSRのキックスタートに対して、心配にもなるでしょう。
あれらの動画のおかげで、SRの売り上げの数パーセントが食われているのではないか??
「やっぱ、セルがついてないと心配だから、キックだけのSRじゃなくて、こっちにしよう…」とかさ。
自分のバイクに乗るのに、“試乗”って表現もヘンなもんだが、ユーチューブじゃこんなタイトルの動画が多いから、まぁ、こうした方が読者が増えそうな気がしたもんで。へへ…
結論から先に申し上げると、全く問題はなかった。
心配は杞憂に終わった、なんて表現より、肩透かしを食らった、とまで言いたい。
だって、生まれて初めてのSR400のキックスタート、2回目でなんなく成功しちゃったんだもん。
なんか、つまんねー。
あんだけ、毎晩布団に入ってからイメージトレーニングしてたのに。
キックスタートのイメトレしながら眠りについた晩はけっこうあったのだ。
イメトレし過ぎた~っ
そらま、キックスタートのバイクに乗るのは初めてじゃないけど、初めてのバイク、原付のホンダMB5は2ストのキックスタートだったし、次男が東京に転勤のため、実家に置いてったリトルカブもキックスタートで、買い物行くときいっつもキックしてたわけだし。
でもさぁ、50ccと400ccじゃさぁ、違うジャンやっぱり、排気量。
8倍もあるんだからさぁ、、8倍くらい大変じゃないとバランスとれないじゃん。
なんかかえって、高校生の時に乗っていたMB5のキックスタートの方がかからなかったような気がするんだけど…けっこう押し掛けもしてたような記憶あるし。良くプラグかぶらせちゃったし。
FI恐るべし、というべきなのか。チョークもついてないし。
FI、ふゅーえるいんじぇくしょん、なる機構がついてるバイクには、チョークはいらないってこと初めて知ったよ。「あれ?チョークどこ、チョーク??」なんて聞いたら、店員さんから苦笑いされて教えてもらっちゃったじゃないか。自分がとっても化石感!
考えたら、車になんかチョークなるものはついてないわな。
自動車は今時まぁまず電子制御なんだろうから、とっくに必要の無いものであるわけだ。
フューエルインジェクションは、コンピューターが、気温や湿度、エンジンの冷え具合を自動で感知して、電子制御で最適な混合気をシリンダー内に送り込んでくれる仕組みなのだから、寒い時の始動時、キャブ車でライダーが、いちいちチョークを引いてガソリン混合気を濃いめに調節してやるような作業は必要ないわけだ。
ふーん。すごいね。
今時の若僧どもは、そんなの当たり前の状態で、バイクに乗り始めるんだろうな。
しかし、そのことでつい気になって店員さんに質問したのだが、「バッテリー上がったら、もしかして、エンジン、かからない?」
「いやそれはもう、はい、かかりませんよ?」と、なんでそんな当たり前な質問をわざわざするのか、といった表情で聞き返されてしまった。
次の瞬間、質問の意味に気づいてくれたのか、「あ、フューエルインジェクションは電子制御なわけですから、バッテリー無いと当然、動かないんですよ、キックでも」と丁寧に追い打ちをかけてくれた。
昔はね、キャブ車のキック始動なら、バッテリー上がっててもエンジンかかったのよ。
下取りに出したリトルカブも、物置の陰にまだ雪が溶けずに残ってるような真冬に、丸々1か月くらいほったらかしてても、チョーク引いてやればキック5,6回目でエンジンかかってくれてたんだけど、FI車では、そうはいかないのだ。
やはり、週一回は、どんな状況であってもエンジンをかけ、少しそこいらへんを走り回ってバッテリーを充電してやらなければならんのかい。
かなり、当てが外れた。恥ずかしくて、誰にも言えない。
私がキックスタートにこだわっていたのは、バッテリーが多少へたってもキックしてやりゃなんとかなんべ、という甘い考えを抱いていた部分もあったのである。
FIには、それは全く関係ないお話なのだった…。
つまり、ツーリングで遠出するとき、バッテリーの寿命もしっかりと把握しておかないと、旅先で動けなくなる、なんて恐れも十分あり得るのだ。
“電子”制御なんだから、バッテリー上がったら、そら、動かんわな。
こんな当たり前のことにさえ、考えが至らない私は、やはり相当“勘”が鈍っている。現在のモータリゼーションの中では、化石感が更に募る…
しゃーない、あと少しで還暦の爺ィだ。浦島太郎な状況も当然だべさ。
恥じることは、何もないのだ。
わからないことは、わからない。教えやがれ!と、開き直れるのが、けっこう爺様の特権でもある。最近は、ほんとーにカッコつけずにづけづけとすることが平気でできるようになってきたので、前より気楽な生活が送れているような気もするのであるよ。
ドコモに機種変更で行ったとき、可愛い娘に受け付けてもらっちゃったりすると、昔なら「あのさぁ、ボクさぁ、」とか言いながら髪をさっと払うようなしぐさを交えながらカッコつけたりしてたもんだが、今時は、「お、めんこいコじゃのぅ、こりゃ、今日はラッキーデーじゃ。げへへ、あんた、独身け?ウチの長男の嫁にならんかね、あ、わしの嫁でもかまわんで、げへへ」(げへへなんてほんとは言わないからね)
独身かどうか聞くのでさえ、「セクハラだぜ」と、堅物の長男からはご指摘を頂いてしまうのだが、こっちゃぁ昭和も中旬生まれ、そんな言葉なんて知ったこっちゃないわ、せくはらたぁ、どこの原っぱじゃ! とばかりに無視して気の向くままにからかっている今日この頃。
でも、そんなふうに接した方が、きどってた昔より相手もくだけてくれてるようなきもするんだがな。内心は、うんざりされてんのかなぁ??まぁでも、可愛いとか、きれいとか素直に言われて嫌な気分にはならないでしょう?
行きつけの歯医者の歯科技工士のお姉さま方も、診察に行くと「キャー○○さん、こんにちは!」とか言いながら手を振って下さるぞ。…すごい、嬉しい…。
その後もしつこくストーカー行為を繰り返すような発言は当然、NGだとわきまえてはおりますぞ。うむ。さらっとね、さらっと。一言だけ。
かわいいとかうつくしいとか、そんなセリフも、この歳ではするりんと口をついてでてくるわけよ。女性に対して、というより、娘とか、孫とか、そういう感覚での「かわいい」ですので、眉をひそめたりしないでね~。そんなところで自分自身の「緊張」を和らげていかないと、つらい時もあるのよ、私は。特に歯医者さんとかさー。
行く前に何度「おぇおぇ」っと来てしまうことか…緊張で…
とにかくまぁ、そう考えると、歳を取るのも悪いことばかりではないと思いますよん。
なんてまたまた話が激しく脱線してしもうたが、そんなわけで(なにがそんなわけだ?)、SRふぉおー(最近は、この愛称で呼んでいる)との顔合わせは、ゴムをつける前にイってしまっちゃったような“初夜”を終えてしまったわけだが、もう一つの『懸念』は、これはまさしく【想像以上】に、その個性を訴えてきやがった…
続く
Kawasaki エストレヤとの決別、そしてSRへ [オートバイ]
今回のこのトラブルに対する、「赤い男爵」さんの対応には、全く問題はない、というか、結果的に非常に良く解決していただいた。
エストレヤはまだ3万キロ以内の走行距離だったので、今回の異音が発生したのがもしもカムチェーンがらみだとすると、無料で対応パーツに交換できる、とKawasakiに掛け合ってくれた。原因は、全く予想通りのところだったので、一発で修理成功、修理後はとても乗り心地よく、なんか、エンジン部分を一式ごっそり交換しちゃったんじゃないの、と感じたぐらい、劇的にフィーリングが良くなった。しかも全てサービスだし。
…、ただちょっと困ったのが、クレームでは無いんだが、修理中、代車で貸してくれたバイクが、ちと、私の年代にはキツイものであったことだ。
ニンジャ250だが、この前傾姿勢は厳しい~。
今の私にとっては、ハンドルを握っている、というよりも、ドラム缶にしがみついているというか、すっとんでるミサイルの、2本出てるでっぱりを握りしめて引きはがされないように必死でへばりついている、なんて感覚だ。隣の市である自宅まで約25キロぐらい還ってくるだけで、手首、肩、首がガチガチに固まってしまい、手首の痛みに至っては3日間ぐらい後遺症が残ってしまったほどである。
もう、どう転んでもこういうバイクには絶対絶対乗れない、ということがしみじみわかっただけでもまぁ、良かったか。レンタルして乗る気にさえ、全くなれませんな。
ただ、このエンジンはすごいね。2気筒だそうだが、20代を共に過ごしたヤマハFZ250フェーザーの4気筒ツインカム16バルブなんかよりよっぽどパワフルでトルクフルに高回転まであっというまに針が回っていく。試しに高速に乗ってみたが、恐ろしくてレッドゾーンまで回せませんでしたよ。フェーザーは、確かにエンジン回転はキュイーンっと上昇していくのだが、それに伴うトルク感に乏しく(比べれば、の話。当時は、すさまじいマシンではあったのだぞ、フェーザーも)、加速はちともっさりしていたような記憶になってしまう。
ほんとに250ccか、これ?乗り始め、あり?これ、400㏄?とまじで勘違いしそうになってしまったほどである。
技術の進歩というものは、すごい、の一言ですな。まぁ、30年以上もたてば、世界は変わっている、か。
このパワーなら、日本1週ツーリングの相棒にしても十分物足りなさを感じないですむんとちゃう?エンブレもしっかり効くから、けっこう、ギアチェンジしないでもアクセルワークだけで車の流れに沿って走れたし。意外とそういうところも、“疲れにくいバイクの条件”のうちだと思う。ライポジは別にして。
日本の場合、そら、郊外だけ走るんだったら大型バイクが気持ち良いのは当然だろうが、都市部もけっこう走らなければならず、あんまし大きい車体だと取り回しが大変な気がする。道間違えた時の狭い場所での切り返しなんか、リトルカブ楽ちんだったし~、つーか、あれはもう自転車と同じ。それを、ゴールドウィングでやりたいという気にはなれないのは確かであろう。
バランス的には400ccが一番ユーティリティークラスなんだろうけど、このニンジャなら250㏄でも十分だわ。でも、このライポジはNG!
ただし、いろは坂は面白かった。…へへへ(…って、文句言いながらそっちこっち乗り回してんじゃねーか、俺!)。
と、とにかく、「赤い男爵」さんのメカの方の対応レベルは、かなりしっかりしている、と言っておきたい。その他の部分もうまく調整していただいたのではなかったかな。
学生時代フェーザーを購入した仙台のお店のメカニックさんもとっても良い人ばかりで、磐梯吾妻スカイラインでこけてフェーザーが谷川の底に落下してしまった時も、「おっしゃ、任せろ!」と、次の日にさっそく私をウインチを積んだ軽トラの助手席に乗せて、仙台からはるか猪苗代湖の近くまで回収しに向かってくれたし、全く悪い印象を持った覚えがないので、その後、次男が就職して通勤用に原付欲しいと相談されたとき、真っ先に赴いたのも「赤い男爵」さんだし、結局そこでホンダリトルカブを購入させていただいたのである。
そして、その延長線上で、今回のライダー復帰のきっかけとなる発見をしたのも、「赤い男爵」さんであったわけだ。
あれほど、仙台1泊ツーリングでイライラハラハラさせられたエストレヤだが、全く生まれ変わったように気持ちよいライディングができるようになったのであります。
手放すのが惜しくなるほどに。
しかし、私は、学生時代からの夢を「実現」させることに決めた。
どうしてもKawasakiに乗りたくなくなった私が、うつうつとネットサーフィンしていたら、なんと、ヤマハSRがついに生産中止!それに伴いファイナルエディション発売!なんて情報が目に飛び込んできたではないか。
つーか、SRって、まだ新車で販売してるんだなぁ、と、その方が改めて驚きであった。
前の記事でも書いたけれど、私が中型免許を取ろうと思ったのは、SRに乗りたい、と大学生の時に思ったからなのだ。
キャンパスに停めてあったSRに跨って、キックスタートして去っていく学生をみて、あこがれた。まぁ、当時はキックスタートはそんなに珍しくはなかったけどね。2ストもあったし。
…、えーと、何年前よ?もうすぐ還暦だから、ざっと、40年近く前のお話なのである。
SRファイナル、のネットニュースに触れた途端、あ、これか! と、脳細胞に電撃が走り抜ける。
大げさでなく、本当に体がビリッとしたような感じがしたのである。
鳥肌がたつ、感じ?実際出たかどうかは覚えてないが。
オートバイの神様が、「おまえ、本当はSRに乗りたかったんじゃなかったんけ~?新車で買うラストチャンスやでぇ~~」と告げてくれたのではなかろうか。
そうだ、SRに乗ろう!
まさしくこれぞ初志貫徹!!
そうか、ついウィンカーを出して「赤い男爵」さんの駐車場に自家用車を止めてしまったことから始まる、この一連の出来事の全ては、SRに乗るために仕組まれた神様の御意思なのだ!!
冗談抜きで、まったくなんの根拠も無く、SR生産中止のニュースを読んだ瞬間にそう思い込んでしまったのである。
なんて、ご都合主義。
調子えぇよなぁ~
それにしても、グッドタイミングというか、はたまた「家計」にとっては、バッドタイミング、というべきなのか…
とにかく、Kawasakiには乗りたくない(エストレヤは惜しいが…)私には、【神の啓示】としか受け止められなかったのだ。
さて、落ち着いて、どうしよう。
いきなり、SR買いますなんて言うと足元みられそうだから、まずは、このトラブルに対して私は非常に怒っているということを店長さんにはしっかりと理解していただかないといけない。
正直、まじで、最初の仙台ツーリングの最中、ヘルメットの中で、ひと様にはお聞かせできない悪態をつき続けていたほどに、頭にきていたのだ。
そら、購入して走り始めてから100キロそこそこで、変な音がエンジンから聞こえてきたら、誰だってがっかりもするでしょう?
それに、私はとっても縁起を担ぐタイプなので、購入時、バイクに向かって、お互い第二の人生(まぁ、エストレヤは3,4人のオーナーの手を経て売りに出されていたようだが)、死ぬまで一緒に付き合ってくれい、となでなでしながら我が家に迎え入れたというのに、初っ端からこんなトラブルが発生してしまっては、どうしてもこの先も平安な気持ちで付き合えるとは思えなかったのである。
もしもまた、同じ症状が出始めたら…?それが、自宅から一番遠くに到達したツーリングの最中(それこそ、稚内あたりで)だったら…
果てしない絶望感の中、ハラハラしながら帰還の途に就かねばならない、なんてことになったら、せっかくのツーリングが台無しではないか。
そろそろ還暦、今年ダメなら来年またチャレンジしましょう、てなわけにはいかないのである。
もう、この歳になると、全てが一期一会、ラストチャンスの心構えで臨まねば、機会が失われる、「次」は、無い、かもしれない可能性が高い、という考えにどうしても縛られてしまうのである。
いつまで健康でいられるのかもわからない。
仕事柄パソコンを一日中タイプしているので、右手が少し腱鞘炎気味なのだが、実際バイクを運転している時に少し痛みを感じる時もある。これがもっとひどくなってきたら…、たとえ入院するほどの病気は無くても、操作する手がダメになれば、それだけでもうライダー生命は絶たれかねない。決して、大げさな話ではないだろう。
逆に言うと、バイクを乗り続けたいのならば、五体満足でい続けなければならない、ということだ。せっかくオーナーになれたSR、一日でも長く乗り続けることができるように、最近はけっこう早寝早起き、筋トレも、やる気が出てきて、今までより少し回数が増えてきた。
オートバイに快適に乗るためには、車と違って「体力」の有る無しが、かなり重要になってくるのだ。
“健康法”を改めて意識しなおすきっかけとしても、バイクに乗るということは、とっても良いことだ、と、私は感じている。
まー、どうこう言っても、先立つものが大事である。
いかに、このエストレヤちゃんを高価で引き取っていただくか。
まずはいきなり「返品させてくれ!」
と、切り出してみた。
さすがにそれは、店長さんも頷くわけはないだろう。そこで頷かれちゃったら、その後やっぱりSR買います、な~んて言えなくなっちゃうじゃないか。
まぁ、でも、流れによってはまたエストレヤを乗り続けても良いかな、とは考えていたほどに気にいってはいるのだが、とにかく、SRに乗れるか、やっぱり縁がないのか、天命を待つ心持ちではありました。
私は、普段は人当たりは良い方だと自分では考えているのだが、少しイラッとすると途端に人相が悪くなると3人の息子たちからいつも非難されているので、不機嫌な顔をするとまぁ相手は引き気味になるらしい。
店長さんもはっきりと顔が青ざめているのがわかった。
ので、返品できないたぁ、どういう法的根拠だ。事前に知りようもないところでトラブルが発生して、傷までついている状態じゃないか、見えない部分だからいいだろう、って話じゃないぞ!と、まぁ半分まじでいちゃもんつけさせていただいた。
実際、こういう場合は、販売側が誠意をもって修理し、問題の症状が収まったならば、それでも気に食わないから返品させようとするのは、おそらく「過剰請求」だか要求だかと言われて認められない、ような話は聞いたことがあるので、まず、認めないだろうということは予想していたので、次は、
「同等クラスの他のバイクに換えてくれ!」という要求を出してみることにした。
すると、店長さんは、下取り、という形にして、差額分を出してくれれば対応できる、という。じゃ、購入した価格(298,000円)で下取ってくれるんだな、と言えば、いえ、社内規定で、10万ちょっとぐらい以上は出せない、という。
「話にならんわ」と、ちと店長が気の毒になるが、ここは心を鬼にしてぶっきらぼうに突き放す。こちらも“家計”がかかっておるのだ。
その後はあーでもない、こーでもない、と、私の縁起担ぎの性格やら神経質なところやらグダグダ言いつのったのではあるが、まぁ、予想通り埒があかない状態のまま平行線となる。
さて、殺し文句(自分としては)
お互い無言になり、他の店員さんや、修理してくれたメカニックさんも、カウンターの向こうで神妙な面持ちでじーっと黙りこくっていて、私も、床をにらみつかるようなかっこうでの沈黙の膠着状態が2、3分続いた時を見計らい、
「じゃ、今度出るヤマハのSRのファイナルエディションリミテッド買うから、エストレヤは購入価格で下取ってくれ。これ以上は譲歩しないぜっ!」と、これなら、落ちるだろ、店長!てな気持ちで告げたのだが、なんと店長から聞かされた情報は耳を疑うものであった。
「あ、リミテッドはもう予約完了状態です」だと!!
なんで~っ??
最高の決め台詞だと想ってたのに、一昨日SR生産終了、最終タイプ販売予定、のニュースを聞いたばっかりなのに、なんだよもう売り切れってさぁ!!
3月15日の販売開始予定日まで、まだ一ヶ月以上あるんだぜ???
詐欺だろ、それは。
リミテッド、とは、ファイナルエディションの中でも“特別仕様車”で、通常タイプの605,000円に対して、748,000円と、十万円以上割高なのだ。
本革シートやらカラーリングやら色々ノーマルタイプとは違うのだが、何よりいいのはサイドカバーのエンブレムに、1から連番でシリアルナンバーが割り振られる、1,000台限定車、という点だ。
これは、もう、中古で売るとき、絶対購入価格より高く売れそうな気配…しちゃうよね。
間違いなく、発表前から、生産終了の内部情報リークがあって、それを知ったヤマハ関連企業内のSRファンのお偉いさんあたりが、「頼むよぉ~、社長!」とか泣きついて連番入り限定車をわがものにしようと動いたのだろ!?
きったねぇぇ~
せめて抽選にしろよ抽選に。
ヤマハさんは、SRというブランドを最大限に活用して最大の利益を獲得して売り切りやがったなぁ。ほんま、ただでは終わらん、という執念を感じたよヤマハさん。
これで、最後の最後にリミテッドⅡ、とか銘打ってワインレッドのカラーなんかで売りだしたら暴動起こすぜホンマ。
と、いうことで、見事に出鼻をくじかれた私、ちと頭が真っ白になってしまい、また絶句状態が始まってしまう。
見かねた店長さん、「と、とりあえず、予約状況を確認してみますよ」と、その場を取り繕うように奥に消える。残された他の店員さんと、メカニックのお兄さんと、気まずい…
コピーを手に戻ってきた店長さん、あくまで県内の「赤い男爵」さんの発注状況だけれど、グレーカラーのタイプはもう5,6台発注がかかっているが、ブルーはまだないから、もしかすると納期は早いかもしれない、と教えてくれた。
もともと、ブルーの方が(リミテッドでなければ)良い色だなぁ、と私は思っていたので全くその点は問題ないのだが、問題なのは、下取り価格なのである。
その後も丁々発止のやり取りが続いたのだが、具体的な金額は、店長さんの立場もあるだろうからはっきりとしたことは書かないけれど、購入時の車両価格298,000円満額はさすがに頑として受け付けていただけなかったが(リミテッドだったら、もっとかなり粘ったと思うけど、ちとこけてしまったので、矛先が鈍ってしまった)、まぁまぁそれにニアな条件を示して頂いたので、どっちにしろSRが欲しい私は、「これ以上は時間の無駄だな?」と判断し、ヤマハSR400ファイナルエディション、カラーはブルーで、契約をした、というわけである。
契約書に名前を書くときは、少し手が震えましたよ。
だって、さらにウン十万円払わきゃいけないんだよおぉ~!!
エストレヤの時は、なんとかこらえたけど、今回は、定期積金解約決定だな。
か、家族からの、罵詈雑言が… 頭蓋骨の中でハウリングしておりまする~。
けれども、このタイミングでの発注のおかげで、なんと、わが県の「赤い男爵」さんの店舗内では、ブルーカラーは私が一番納車ということになったのでした。
けっこう、私はラッキーだ。
なんというか、その時はしんどい、まいった、勘弁してほしいなぁ…
と、悩んでいても、結果的にオーライになってしまう事が多いような気がしてる。
神経質だと自分でも思うし、カミさんからもしょーもないと言われ続けているのだが、本質的なところではもしかすると楽天家なのかもしれない。
SR400ファイナルエディション、リミテッド以外の通常仕様車も、今現在(4月2日)ではもうすでに受注停止、とほぼ同じ状態らしい。3月15日発売のバイクが、一ヶ月もしないうちに年内納品は無理っぽい、という話まで出ているそうだ。あぶねぇ~…
それにしても、何なのだろう、このSR人気というものは。
自分だって、大学生の時から乗りたかったんじゃないか、と言われればそれはそうなのだが、それにしても「異常」という表現を使っても違和感出ないような気がする。
変わりすぎているこの世の中、「変わらない」というコンセプトが、かえってこれほどのインパクトを世間に与えることができる、ということなのかねぇ。
ユーチューブにアップされてる、SR関連の動画の数は、正に驚き、である。
とにかく、自分で所有して、乗り続けてみないと理解できない部分がきっと確かに存在するのだ。
この、「SR400」というバイクには。
はてさて、新しきわが愛車を目の当たりにできるその時…
Xデーは、3月19日!!!
犯人は、カムチェーン ~Kawasakiエストレヤとの決別 [オートバイ]
「あのねー、変な音がするの。ほんとだよ、ここからね、こんな感じで、ジャラジャラ~って、したんだよ、ほんとだよ」
間が悪いことに、マシンにトラブルが発生し、文句を言おうと意気込んで購入店に向かったときほど、全く症状が出なかったりする。
「バイクトラブルあるあるですね」なんて、メカの若僧から、にやにやされつつ冷やかされたりする。
その場で計測器見たいのに乗せてぶんぶんエンジン回してみても、全くノーマルなエンジン音しか、店内に響かなかったりする…。
しかし、事前にユーチューブで、Kawasakiエストレヤのトラブル情報をあさりまくって耳年増になっていた私はめげることなく
「同じような症状出てる人の動画をネットで見てみたら、おそらく、カムチェーンだと思うんだよね」
な~んて、整備にはとんとど素人の一般人が、その道のプロであるメカニック君に偉そうにご指南してそうろう。
おめぇ、自分でオイル交換だってしたことないだろ…
しかし、実技は0点でも、筆記試験は、最近のゆーちゅーばー、なる者達のおかげで満点を取れそうなほど、有効な情報を得ることはできてしまう。
すごい時代になったものだ…
話だけでなく、動画で、エンジンまで分解しちゃって、原因を究明してくれる方がいらっしゃるのでありがたい、というか、ほんまに、助かりますねぇ。
プロフェッショナルには、どんどんキツイ時代になってきているよね~
「素人は口を出さないでください」だの、「プロにお任せください」とか言って、その場しのぎがしにくくなっちゃうもんね。
結論から言うと、実は、ネット上に溢れるほどに紹介されていたKawasakiエストレヤちゃんの致命的な持病を、しっかりと発症させている車体を、私は購入させられてしまっていたのでありました。
カムチェーンとは、噛むちゃ~ん、とか呼びたくなる危ないプレイ好みの女の子の愛称なんかでは無く(誰だって、そんなこと考えんわ)、エンジンの回転を、エンジン上部にあるカムシャフトを動かすために伝える役割をもつ、エンジン内部にあるチェーンのことである(以下、全てネット上情報受け売り)。
カムシャフトとは、吸気バルブや排気バルブを動かすパーツであり、いわゆるツインカム、DOHC、ダブルオーバーヘッドカムシャフトなんてのは2個あって、吸気バルブと排気バルブをそれぞれ独立して動かすことによって、より高回転をたたき出せるようになり、つまりは馬力もアップできるので、いわゆる高性能エンジンに採用されている、のである。
エストレヤはSOHCなので、つまり1個だけしかついてはいませんが、それを動かすための駆動力をエンジン内部で伝達するためつながっているのがカムチェーン、というわけだそうだ(説明合ってるか?まぁ、素人の拙い引用だから真剣に聞く必要はないよ)。それが伸びてしまって、エンジン内部に当たって異音が発生していた、のである。
そ、それってさぁ、やばくない?少なくともトヨタ自動車さんなんら、間違いなくリコールになるトラブルではないの?
私は、非常に几帳面であり、神経質かつ縁起担ぎなので、もうそんなの気になって気になって気になるのよ、ホンマ
経年劣化によるトラブルであるならそれは納得できる。例えば、バッテリーが古くなったので交換しないといけないとか、ドライブチェーンが伸びたから調整が必要だとか、スプロケットが削れてきたから変えないととかさ、そんなの当たり前じゃん。
しかし、3万キロも走っていないバイクで、カムチェーンが伸びてエンジン内部に傷をつける、だ、なんて、他に滅多にある事なのか??
もう、返品したくて仕方なくなってきた。
トヨタどころか、ホンダさんだって、自社のバイクでそんなのあったらすぐリコールじゃないの?
しかし、Kawasakiというメーカーは違うらしい。
エストレヤちゃんには気の毒だが、こんな“傷モノ”を所有したくないのである。とにかく、親の顔が見てみたい、ということで、「赤い男爵」店長様との対決の前に、情報収集も兼ね、Kawasakiに、この症状に対し、どういう考え方、受け止め方をしているのか、そしてどんな対応をとっているのか、聞いてみた。
ところが、一言で言えば、「お話にならない」対応でありました。
運悪く態度の悪い野郎に当たっちゃったのだとは思いたいが、それにしてもひどすぎるレベルであった。
もう一生、Kawasakiになんか乗るもんか、と、きっぱり言い切れるほどにユーザーの立場に立っていない、メーカーサイドの論理でしか会話できない野郎であった。
たまたまだとは思うが、コールセンターにあのような人物を配置する、それ自体が、Kawasakiという会社の体質を如実に表しているのだと思う。
Kawasakiというメーカーは、ちょっと、いい気になっているのではないか?
コアなファンが多いせいもあるのだろうが、私は、一番影響しているのが、漫画や映画だと思う。
「あいつとララバイ」という漫画が無ければ、ZⅡ人気はあったか?
「彼のオートバイ、彼女の島」という、片岡義男原作の映画が無かったら、メグロ復活につながるようなダブサン人気は今も続いていただろうか。
確かに味のあるバイクが多いから、片岡義男も「あいつとララバイ」の研二君(だったっけ?)も、Kawasakiブランドを使ったのだろうが、それがまた更に倍返しで、Kawasakiはちと自社のプライドを高めすぎているように想われる。 学生時代の友人で、FXに乗っていたヤツも、「川崎は対応悪いよ~覚悟しないと乗れないからね~」などといいながら、それが又楽しそうな響きなのである。修理とか時間かかるけどさ~部品とか取り寄せるのに平気で2,3ヶ月かかるしね~でもそれも“味”の部分なんだよ~、バイクの魅力ひっくるめて~、云々かんぬん、ニヤけながら「手のかかるお転婆な彼女」の自慢話でも聞かされているようだった。
マゾだな。
まぁ、好きなら乗んなさいよ。でも俺はもうKawasakiには乗らない。「男はKawasaki、だよなぁ」なんて言葉に頷いていた学生時代が愚かしい。エストレヤはいいバイクだと思うが、Kawasakiの対応は納得できない。ふざけとるわ。
まず、今回のこの“症状”
「この“欠陥”に対してどういう対応をしていらっしゃるのか?」と切り出したところ、「それは“欠陥”ではございません」なんだとさー。
「川崎の純正オイルを使い、こまめにメンテナンスをされているお客様からは、そのような“症状”は、全く報告されておりません」なんだとさー
つまりは、粗悪な安物オイルを使い、整備を怠っとるからエンジンがおかしくなるんだよ、と暗に主張しているようなものである。
買ったエストレヤは、2002年式、まだキャブ仕様のタイプである。このKawasaki君に言わせると、「20年前のバイクですし、メンテナンスの仕方次第では色々なトラブルは発生するとは思います」ときたもんだ。加えて「250CCなので、車検もありませんし、ちゃんと定期的に点検に出されるオーナーさんばかりでもないかもしれませんし、まず、こちらとしても保証(補償?)はしかねます」なんだとさー
あくまでオーナーの整備に対する心構え次第であり、Kawasakiにはなんら落ち度はない、という主張の一点張りであった。しかも言外に、『車検もねぇようなちいせぇバイク乗ってる野郎が、いっちょまえにクレームつけてんじゃねーよ』的な雰囲気の臭いが、ほのかに香ってきそうな物言いに感じたぜ。
昔バイクを乗り回して居たころ、ライダー仲間の間では、「商売上、中型や小型も出すけど、Kawasakiは大型以外はバイクだと思ってねぇからな~」とかいう噂があったのを思いだしたが、あながち、今でもそんな指向はあるのではないか?
2000年からの型は、チェーン形状も変えて、テンショナー(チェーンを抑えているような、スライダーのようなやつ)も変更されているじゃないですか、この異音対策ってことでしょ、と、ネット受け売り情報で食い下がれば、「あぁ、それは、“対策”では無くて、バイクをより良くしようとした“進化”なんですよ」勝ち誇ったような、目の前に置いてあるだろう、マニュアル通りのような受答えときたもんだ。
し、進化ぁ???
この取り繕ったような一言で、私のKawasaki嫌いは決定的になった。
およそ15分間ぐらい粘ってやったと思うのだが、その間、「ご迷惑をおかけしてもうしわけありません」的な、謝罪の言葉は一切無かった。曲がりなりにも、自分の勤める会社の商品で迷惑を被っている客からの電話なのだから、まずは、申し訳ないと一言謝ってから、自社の主張を展開すべきであろう。
このやり取りで、全く、Kawasakiに乗る気がしなくなってしまったのだ。
エストレヤがどうとか、ニンジャがどうとかいう問題ではない。
Kawasakiに乗りたくない。
バイクは機械かもしれないが、それを動かしているのは感情を持った人間なのである。
ということを、もしかしたらKawasakiは気づいていないのではなかろうか。
どうしてくりゃりょう、と悶々としている私に、思いがけないニュースが舞い込んできたのである。
それは…
次回に続く
…引っ張りすぎ??
でもほんとーに頭にきたのだ
異音 ~Kawasakiエストレヤとの決別 [オートバイ]
…「……? ん?」
その“異変”に気が付いたのは、会津若松市に入った当たりだったか。
家を出てから100キロになろうかというあたりだったような。
ジャラジャラ~ン
てな感じの音が、タンクの下あたりからし始めてきた。
トイレが近いのでどうしようかと悩んでいたのだが、ここらまで来たならお昼にラーメンでも食べないとやっぱ勿体ないよなぁ、なんてあーでもないこーでもない的な考えが、「異常事態発生!」の緊張で一気にふっとんでしまった。
最初に休憩した道の駅を出発してから直ぐに「およ?」と変な音が聞こえたような気がしたのだが、その時は耳を澄ませても更には聞こえてこなかったので、空耳かやと思っていた。
ところが、会津若松市の中心部を過ぎてから、はっきりと意識せざるを得ないほど、「異音」が発生してきていたのだ。
「こ、故障?!?」
30年ぶりのツーリングとなる、リターンライディングのファーストインプレッションが「故障しました。迎えに来て」なんて連絡では、あまりにも悲しすぎる。
さっそく、バイク購入店の「赤い男爵」さんご自慢の全国ネットワークサービス網を利用する羽目になるんかいな、と、30年ぶりのバイクでの遠出に、程よい緊張感の心地良さが、あっという間に気もそぞろ、である。
シフトアップをしようと、クラッチを切り、同時にアクセルを戻すわけだが、その時に
「ジャラジャラ~ン」
という音が響いてくるのだ。うむむ、今度こそ耳を澄まさなくてもはっきりと聞こえる。
そしてクラッチを繋ぐと消える。
クラッチを切り、アクセルを戻し…た途端、
じゃらシャラらラ~ん
と、まぁ、字であらわすと、こんな感じの音。そして、クラッチを繋ぐと消えていく。
なにこれ? 自宅を出たころには、確かに、間違いなく、感じなかった異音である。
だんだん、徐々に徐々に大きく、長くなってきているのではないか?!?
左ももの下ぐらいのあたりから、聞こえる聞こえる、なんじゃこの音は???
当然、チェーンに問題が発生したのかと考える。
異音にはっきり気がついて次の道の駅に、この日初めてトイレ休憩の目的以外で寄り、ドライブチェーンを確認する。
ふつう、「遊び」は3センチぐらい、と覚えていたのだが、う~ん、見た目は正常値範囲内にしか見えないが、実はやっぱりたわみ過ぎているのか?などと、はっきりとした自信もないので疑心暗鬼にかられてくる。でもどこに当たっている風でもなし、違う原因なのかな…と、メカにはど素人なので、途方に暮れてしまう。
後でわかることだが、確かに「チェーンの問題」ではあったのだ。が、チェーンはチェーンでも、ドライブチェーンでは無いところにこの異音の原因があったのだ。
とにかく、もう少し様子を見ようと、一応トイレも済ませて再び走り出せば異音が治まっている?
あれ、治ったかな??と淡い期待もものの10㌔ぐらい走ったら打ち砕かれる。
また、始まった…
シフトアップしようとするたびに、ジャラジャラ~ん、というか、シャラシャラら~、というか、とにかく動いてるチェーンが何かに擦れて発生するような感じの音。
それが、したり、しなかったり。一度停車してエンジンの温度が下がると収まるのか、でも、ちょっと走り続けているとまた再開。
頻尿も収まらず、道の駅に各駅停車、も、続いていた。
用を済ませて、駐車場に戻るときに目に映るエストレヤは、相変わらずの美しさで清廉と佇み、ご主人様に跨られるのを待っている、なーんて、ちと聞き様によっては卑猥な表現か…
ライダーの、バイクに対して抱く感情は、戦国時代の武将が愛馬に持つ愛情のそれと同じでありましょう。バイクにまたがりエンジンをかける瞬間は、愛馬に乗って走りだそうとする侍に自分を重ねて見たくもなる。
で、あるのに、そのバイクから原因がわからない異音が発生しているという状態は、調子が悪くてあえいでいる馬にどうしても頑張ってもらって戦に向かわなければいけない、てな感じのいヤ~なモノ、なのだ。
ハラハラしながらなんとか仙台市内に入り、オヤジの住む公団住宅に到着。
全く楽しめないツーリングになってしまいました。
悲しすぎる。
次の日、ちょうど、大学生の時フェーザーを買った、バイパス沿いの赤い男爵さんの店舗の前を通るのでよっぽど寄ろうかと思ったが、直感的に絶対こりゃ開腹手術が必要なレベルだろうとしか思えなかったので、そんなことしてると下手するとオヤジのアパートに逆戻りでもう一泊、なんて羽目になると、ちと仕事の関係も煩わしかったのでとにかく行けるところまで行って、動かなくなったらばもうどうしようもないんだから、その時に連絡しようと覚悟を決めて素通りし、一路、国道6号線を南下。
もしもチェーンが外れてタイヤがロックしたりして転倒したらどうしよう?とか、99.9パーセントありえないような悪い予想が頭をよぎる。でも、「万が一」という言葉通り、今回のコロナウィルスの感染爆発しかり、東日本大震災の津波による福島原発事故しかり、誰もが想像すらしていなかった事がまさに現実となっているのだ。
国道6号線の、福島原発事故の爪痕を見乍ら走っていると、悪い悪い想像しか浮かんでこなくなってしまう。
ハラハラしながらの帰り道だったが、なんとか無事に自宅まで還れたのでありました。
くっそぉ~、なんだこの“初乗り”は!
イライラは頂点Max、さっそく時間の空いた日に「赤い男爵」さんへと問題のエストレヤに乗って、殴り込みをかけた、わけで、ある。
ちなみに私は相当神経質らしく、気が短い、方らしい。カミさんに言わせると。
長くなったので、つづく。
SR400、ファイナル [オートバイ]
ついに、SRだっ!
私の中のイメージを一言であらわせば、まさしく、“降臨”!
何年越しの恋人か…
見初めた時は、まだ大学生だぜ…
よくぞまぁ、43年間も生き永らえてくれていました。
俺も、そろそろ還暦だぜよ。
…ん、エストレヤはどうしたんだって?
だから、SRにいつのまにか生まれ変わっていたのである。
ある朝、バイクカバーを外すと、なんとそこにブルーのSRが…
なんてわけ、あるかぁ~っ!
東京スカイツリーのてっぺんからバンジージャンプするぐらいの気持ちで、買い変えたのじゃ!
つまりは、エストレヤちゃんの“異変”から話は続いているのだが、その話を書き記す前に積年の想い人が嫁入りしてきたのである。
結納金は、高かった、が…
とにかく、この興奮をすぐに記事にしたくて、まずはSRのご紹介、新しい相棒である。
カミさんとは別格なので、比較する対象ではないのだが、まさしく、人生のパートナーといった感じかなぁ。
パートナーが二人に増えた、と思えば良いのだな、うん(^_-)
どちらも、死ぬまでのお付き合いになりそうだ。
…よな、カミさん…??
SRもついに“ファイナルエディション”
以後は生産中止になるという。
排ガス規制と、アンチロックブレーキに対応するのが難しいから、とかなんだかんだと言われているが、まぁ、ガソリン車自体がそろそろ全て販売禁止になっていくそうだから、それも見据えての決断なのだろう。
「新車で購入するチャンスは、これが最後!」なんて言われてしまえば、そらぁ、胃がきゅっとするような切なさに似た焦燥感に駆られてしまうではないか!!
と、言うことで、買っちゃった。
後先考えず
年甲斐もなく
極楽トンボ
あ~、家族から発せられそうな、ありとあらゆる罵詈雑言が脳裏に浮かんだが、それ以上に、「死ぬ前にSRのオーナーになりたい!」という欲望願望そして渇望には勝てなかったのであるよ。
ではでは、次回から今度こそ、エストレヤちゃんに起こってしまった事件を紹介し、私をまたツーリングの世界へと導いてくれたKawasakiの隠れた名車(隠れてはいないか?)に別れを告げて、SRと始まる蜜月の物語に入っていこう。
Kawasaki エストレヤ [オートバイ]
購入を決めてから知った、バイクの名前。
それぐらい、まさしく「一目ぼれ」でしたねぇ。
およそ、自分の中にある「オートバイ」というもののデザインの理想形、とも言える佇まいであった。 しかも、バイクを所有していたら、絶対つけたいと思っていたサイドバッグまで着いてくれちゃってるし…
ヤマハFZ250フェーザーに乗ってたくせに何を言ってるんだ!、と、ヴィンテージバイクファンの方々にはつっこみを頂きそうだが、もともと、中型バイクの免許を取ろうと決断したのは、同じヤマハのSR400に乗りたい!と考えたからなのだ。
高校生で原付免許を取ろうと思ったのは、同じ陸上部の友人が中型免許を取り(そいつは原付は高校入学と同時に取っていた)、ホンダの名車、銀色のCB400(たしか、F、だったか?カウルはついてないやつ)を親から買ってもらいやがって、部活のない休日は、乗り回していやがったのがうらやましかったからだったが(今思うと金持ちだったよな、あいつ…確か親は社長やってるとか言ってたもんな…)、大学生になって中型を取ろうと最終的に決断したのは、キャンパスの駐輪場にしぶく停まっていた、SR400(だと思う、500では無かったよなー?)が、えらくかっこよく見えたからだ。ジーンズにジェットヘルを抱えた名も知らない学生が、ショルダーバッグを斜に掛け直してひらりと跨り、キックでエンジン始動している姿が、なんか、映画のワンシーンを見ているようで「かっこえぇなぁぁ~~」とよだれを流さんばかりにジロジロ眺めていたものであった。
大学で入部していた部活の同級生で、親が機動隊で白バイ乗ってて、自分もバイク好きの友人に、「あれ、なんてバイク?」と聞いたら、「SR!」とだけ教えてくれてから、頭の中に「SR」という響きがこだまし続けるようになったのだ。
一生懸命バイトをし、すでに社会人になっていた兄に頼み込んで借金をし(親は原付でさえ認めようとしてくれなかったので、お金など出してくれるわけもなかった)、一刻も早くSRに乗りたいので、中型免許が欲しかった私は、部活の合宿を、そのバイク好きの友人のKawasakiFX400のケツに乗せてもらって抜け出し、教習所の卒検を受けに行ったりしたものである。その教習所では、確か、オートバイの卒検を月に2回ぐらいしかやってくれなかったので、その日を逃すとまた半月先になってしまうのが嫌で急いだのだが、当然、部活の同期から大、大、大ヒンシュクを買ってしまい、しばらく部活の中で小さくなっていた思い出も、まぁ、今では微笑ましい。
絶対SRに乗るぞと兄に更なる借金をせがみ(露骨に嫌な顔をされながら)、?十万円をポケットにねじ込んで、当時まだ“赤い男爵”とでかでかと表示していた看板のすぐ下に、「ヤ〇ハオートセンター」と、でかでかと付け加えていた店があったので、SRはヤマハなんだから、ここで買うのが良いんだろうと思って飛び込んだその時、真っ先に目に映ったのがフェーザーだったのだ。
もう40年も前の話なので良くは覚えていないのだが、とにかくFZ250フェーザーが出た直後、それも、先週か、先月か、ぐらいに販売開始なったばかりの頃だったはずで、道路側の最前列にピッカピカの黒いやつが飾ってあったのだ。
まだまだ血の気の多い若い(幼い?)時代。
4気筒DOHC16バルブ、当時、自主規制値上限の45馬力のスペック、16,000回転からのレッドゾーンタコメーターのデザインにノックアウト。
お店のお兄ちゃんも、「SRなんか、年取ってからでも乗れるよ!こういうのは、今のうちだぜ!」のノリのりのお勧めで、大学生の私はSRなんかどっかに吹き飛んでしまったのでありました。バイク好きの友人たちにも自慢できそうだったし…ね(^^;
KawasakiFXの友人からは非難の眼差しで見られたような気がするが(そいつはヤマハRZ350も“セカンドバイク”として所有していやがった・ただし、警官の息子だったので、金持ちでは無かった。小遣の全てをバイクに捧げるほんとーのバイク好き、白バイ乗りのオヤジの理解も大きかったようだが)、他の友人たちからはおおむね好評、乗らせろ乗らせろとたかられたけれど、慣らし運転が終わり1か月点検が終了するまで絶対触らせなかった事は覚えてる。
前置きが長すぎたが、つまり、もともとは、空冷シングルファン、だったのである。
ので、Kawasakiエストレヤに食指が動くのも至極当然なのであった。
250㏄だけど、貧相なシルエットではなく、そのエンジンサイズをとくに小さく感じさせないような車格感があり、斜め後ろからみると、“陸上女子”の様に、しなやかで筋肉質な肢体を眺めているようなセクシーさがある(表現がエロオヤジっぽい??)。他のメーカーには無いように想えるその「鉄筋感」は、そこはやはりKawasakiのバイク、てなものなのかな?
SRにもかつて250㏄版が存在して居たのだが、あれはどう見てもビギナー女性ライダーの入門機的なイメージしか沸いてこない、まぁ、なーんか「貧弱」な感じがあった。
エストレヤは250㏄専門として開発されたのか(他のグレードの排気量、無いよね?)、デザイン的に本当にグッドだと感じて一目ぼれしました。
いかに店員さんからの誘惑を断ち切ろうかと身構えて入店したのに、どころかこちらが質問攻めにしまくっていた。
それでもまだその時は購入する気まではなかったのだが、家に帰ってからもバイクのお姿が脳裏から消えてくれない。
もしも、明日他のお客さんに売れちゃったらどうしよう、なんて考え始めたらもうダメダメである。
三日後ぐらいに、今度は「商談」に行っていた(笑)。
と、言うことで、30年ぶりのオートバイのオーナー、まさしく典型的な“リターン”ライダーとして、復帰を果たしたのでございまする。
さっそく、実家である仙台まで、オヤジの住まいに泊めてもらう一泊ツーリングに喜び勇んで出かけたのでありました。
が。
いろいろ寄り道しながらの往復600㎞のミニツーリングで、エストレヤちゃんに思いもよらないアクシデントが発覚してしまうことになる。
出会い? [オートバイ]
いつも何気に通り過ぎていた、お隣の市の、帰り道の国道沿いにある“赤い男爵”さんの店舗。
その日は、ちょっとトラブっていた用件がひと段落して、少しリラックスした気分で、おそらく浮き浮きしたところもあったのだろう。
「あ、…」と気づいたときには左ウインカーを出していた。
高校生で原チャリの免許を取り、往年の名車ホンダMBー5を乗り回していた私。
大学生で中型免許を取得し、これまた出た当初はまさしく「衝撃的」なデビューを飾ったヤマハのFZ250フェーザー(250㏄ながら、4気筒ツインカム16バルブ、当時自主規制リミットの45馬力!レッドゾーンは確か16,000回転から、だったかな?18,000回転までタコメーターに表示されてたような…??)のオーナーになり、ツーリングしまくっていた。
ので、バイク屋さんの前を通ると、なんとなく胸がざわざわしてしまうのである。
結婚を機に手放してしまったフェーザーだが、伊豆や四国一周ツーリングの相棒として、7年以上連れ添った。
家庭を持ち、子供も生まれて、春先に出現し始めるライダー達とすれ違い、もしくは後ろを車で“伴走”したりしてると「えーなー…」とうらやましがりながらも、チャイルドシートで無邪気に笑う子供たちの顔を見てると、「わしにゃあ、もう縁のない世界じゃ」とうそぶきながらハンドルを切る毎日。
いつしか「バイクに乗る」ことさえ思いもよらない男になっていたのであります。
子供たちも独立し、それぞれに生活をする立場になってしまうと、親の言うことなど聞きやしないし、というより、「口出しする機会」自体が激減したうえ、確かにこちらが口出しするまでもないことが多くなり、まぁ、一言で言えば「手持無沙汰」な時間が増えてしまったのだ。
読書も好きだし、映画も良く見る方だし、筋トレとかもまぁ好きだし、庭木の剪定など、庭の手入れも習慣化しているし、休日はそんなに暇ではないと思うのだが、なんつーか、精神的に手持無沙汰なのである。
それだけ、子育てというものは、精神的負担が大きかった、ということなのだろうが、反面、子供に口出しすることが無くなってくるということは、本当に親として寂しいものなのだ、ということが実生活として身に染み初めてきたのである。
おそらく、「心の空白」部分を、無意識に埋めたいと思っていたのだろう。大学生の時に初めて中型バイクを買ったのと同じ系列店の、“赤い男爵”さんの看板を見かけたら、全く考えもしていなかったのに、駐車場に車を停めてしまっていたのである(笑)
エンジンを止め乍ら、「とにかく、見るだけ、見るだけ…」なんだ、と自分自身に言い聞かせて車から降りた。もし店員さんに話しかけられたら、どんな購入回避のセリフを並べて“口撃”から身を守ろうか、と、戦々恐々としながら店舗内にさまよいこんだ。
そこで、私の中でイメージしていた、全く理想のバイクに遭遇してしまったのである。
続く