灼熱の東北道一気走り [ツーリング]
あ、暑い…
バイク乗ってて、こんな“熱風”を浴び続けた覚えなんてないぞ。
どんなに暑くても、ふつう、高速走ってりゃ「おー風が心地よか~」とか感じるものだと思っていた…
21日水曜日、クライアントさんのサーバーメンテナンスで仕事が入ってこなくなっちゃったので、急遽、前回「体力の限界」で断念した、竜飛岬から陸奥湾一周、下北半島&本州最北端到達ツーリングを決行することにした。
水曜日から日曜日まで、5日間あればなんとか「ゆとり」を持って動けるのではないか。
4日間、だとちときついかなぁ~、と、ちょっと弱気だったのだが、お休みが急に1日増えて一転、“強気”になれたのであります(^_-)
カミさんに打ち明けたのは決行前日だったもので、こめかみに、ピキピキッという音とともに「怒りマーク」がくっきりと浮かび上がったのが、私の心の耳に聞こえ、目にはっきりと見えた。
このオリンピックスタート連休も、カミさんはお仕事なのでした。
えへへ、めんご! まぁ、普段洗濯掃除、ごみ捨て布団干しに草刈りと、家事にはかなり貢献してるんだから、こういう時ぐらい“リフレッシュ休暇”めぐんでちょうだいな。
と、いうことで、21日早朝、また布団の中でごそごそしているカミさんに「行ってくるぞぅ~…」とふすまの隙間からささやいて家を出、朝日のなか、SRに跨りキック一発、青空半分、雲半分の天気も上々、爽快スタート!
なるべく最短距離を行こうと考えて、ちょっと遠回りになる自宅最短距離有料道路インターチェンジ使用ルートは止めて、西那須野塩原インターチェンジまで下道を使い、そこからはおそらく自分史上二番目の高速道路長距離走行(バイクでは)。
20代の頃、YAMAHAFZ250フェーザーで四国一周した帰り、坂出北インターから央自動車道の諏訪インターチェンジで季節外れの降雪による通行止めで降ろされるまで、道路公団サイトで確認したら560㎞ぐらいあったようだから、今の所それが一番かな。
西那須野塩原インターチェンジから、浪岡インターチェンジまで、およそ530㎞! 前回と違い、ウインドシールドを装着したSRには、高速走行に死角なし! …か、な…?
高速に乗るまではまー「事故ったらどうしよう、急に体調が悪くなったらどうしよう、悪天候になって土砂崩れに巻き込まれたらどうしよう…云々かんぬん」などお得意のマイナス思考があふれ出てやっぱ帰ろうかな~、どうしようかな~…でも今キャンセルしたらホテルからキャンセル料請求されちゃうしな~、と、ドキドキものだったのだが、そんな不安の数々も、高速道路に合流するとき空冷単気筒エンジンレッドゾーンギリギリ加速の「振動」で一気に背中の彼方に振り落とされてしまった。
「いくぜ、津軽海峡夏景色!!!」と雄叫びを上げながらのツーリングスタートになりました。
午前中も早い時間は、気温的にはとっても快適だったのですが、国見峠を越えて、仙台平野に差し掛かる頃から気温急上昇。温度表示も29からついに「30℃」の表示が出始めたらもうそこからはず~っと30度越え!
岩手県に入ってからは、「32℃」とか、「33℃」なんて表示ばっかり。でもさすがに35度以上の表示は出ていなかったと思うけど、それにしても十分、暑い~っ!
一関市、奥州市、花巻市など、大谷君ゆかりの土地や、盛岡平野(というか、あそこらはず~っと、盆地?)を走っている区間は、ずーっとドライヤーで熱風を吹きかけられ続けているような感覚でした。あれは、ちょっと異常に感じてしまいました。
高速を走っていてこんなにも風を暑く感じた覚えなんて、未だかつて無いぞ…
いくら暑い日でも、時速90㎞以上で走ってれば、体温を風にじわじわと奪われていくような感覚の記憶しかなかった…のに、かえってじりじりと熱せられていくような…!?!?
青森まで、途中、ガソリン補給と、その前後に1回ずつ、合計3回もパーキング休憩をとれば良いかな~、なんて甘い予測は吹っ飛んだ。
首にまいた濡らして使う冷却タオルが生ぬるくなるたび、サービスエリアに滑り込み、水浴び。もう、人目なんて気にしていられません。まじ、これは、命にかかわる…。
どこどこに、何回停車したかなんて、全然覚えておりません。とにかく、「暑い!」と感じたら、サービスエリアで水浴び。その繰り返し。
でもこの行動は、絶対に正しかったと思う。
休憩の度に500㏄のペットボトル1本飲みきっていたのにも関わらず、おトイレは休憩3回に1回ぐらいしかまともに出なかった… 頻尿で悩んだ冬場のツーリングが嘘のようだ。
まさかこの暑さ、ブラストバリアーを取りつけて風防対策施したせいで、エンジン熱が巻き込まれて胸元に上がってきたなんてことは、ありえないよね?時速90㎞前後で走ってるんだもんなぁー。まさかそれはないよなぁ?
他のフルカウルマシンにお乗りの方は、暑さをどのように感じられているのだろう?冬はあったかそうに見えるけどなー? 夏場は…??
ので、けっこう度々休憩を取ってしまったので、高速道路のどんづまり、青森県五所川原市で高速道路を出た時にはもう3時過ぎになってしまいました…。
西那須野塩原インターチェンジから、浪岡インターチェンジまでおよそ530㎞ぐらいだと道路情報サイトにあったが、9時間近く高速道路の上に居たことになる。平均時速60㎞ぐらいじゃん!おっそ~~っ!
まぁとにかく命には代えられない。体調第一で行きましょう。
ここから、津軽半島の根っこあたりの日本海側に出て、十三湖沿いをひた走り、竜飛岬まで到達しなければならない。宿泊予定のホテルは、竜飛岬唯一で、ほんとうに先っぽにあるのだ。けっこう、時間が競っておりました。
が、さすがにこの頃になると、道路の上の木陰も大きく長くなってきており、時折涼しいと感じる風にあたることもできはじめ、だいぶ楽になっておりました。高速道路でも、岩手から青森に入るあたりで土砂降りに遭遇(晴れてたけど)。一気に体を冷やしてくれました。
ツーリングで出会う雨が、あれほどありがたいと感じたのは初めてでしたねー。
津軽半島に入ると、なんとなくあんましまともな休憩所が多くなさそうな感じが地図上したので、国道101号線沿いの道の駅もりたアーストップという所でトイレ休憩、アンド水分補給にストックのペットボトル購入。
木陰に座って水を飲んでいたら、ハーレーのドコドコエンジン音とともに、Tシャツ姿で、日焼けした丸太のような腕を丸出しの、しぶいオヤジさんが奥さん後ろに乗せて、パニアケースがっつり装備のもろタンデムツーリングやで!というお姿で停車された。
渋いねぇ~、俺よりもちょっと年配のご夫婦かなぁ、と感じて、パーキング内ですれ違う時軽く会釈し合ったのだが特には言葉は交わさず、先を急ぐ私は一足先に道の駅を出発。
弘前城公園桜祭り鑑賞ツーリングの時は反対側の秋田方面から北上してきた、国道101号線を今回は逆の西に向かい、前回岩木山方面へ曲がった交差点よりはかなり手前の交差点ではあったが、メロンロードとの交差点から竜飛岬方面へ右折、ひたすら北上する事にした。
まぁ、このぐらいなら、道を途切れさすことなく、「東北一周」は継続中としても嘘にはならんだろ、と考えた。いっぺんに日本一周できりゃそら最高だが、そうもいかない社会人のほうが多かろう。継ぎ足し継ぎ足しでも、日本一周の海沿いピースを少しづつ埋めていってみたい。それが何年かかろうとも…。動けなくなったら、その時は、その時、人生は一度きり、行けるところまで、行ってみましょう!
さて、津軽半島メロンロード。
この農道は、けっこうまっすぐな部分が多くて、「北海道ってこんな感じになるのかなぁ」と思わせてくれるような気持ちの良い直線が続きました。でも、あんまし海は見えなかったかな… 風力発電のプロペラはそびえたっていたけれど。
ところが急に視界が開け、左右に大きな海!
なんか、海の間を走っているような道路に急に出て驚いたが、それが、日本海と十三湖をつないでいる所でありました。
後でネットで確認したら、ここはおそらく「十三湖水戸口突堤」と言われる、浸水被害を解消して津軽平野の開発に貢献してきた、貴重な土木遺産、のあたりだそうな。あり、地図が海の上を指しておるなー?
難しいことはわからんが、ツーリングライダーとして、この眺めは素晴らしかった。
こちら側が十三湖で、画面右手の奥の方に日本海が広がっている場所なんだけど、“湾内”という表現もなんか違って、海の真ん中にたまたま岬が向かい合っているようなところがあって、そこに橋をかけて通行できるようにした、といった感覚。
十三「湖」というが、湖とかいうには海とつながっているのがはっきりわかるから、単独の湖には見えないし、海峡、というのもあてはまらない感じで、これは全く不思議な眺めでございましたな。
学術的には、「汽水湖」というのか?海水と淡水が入り混じっている湖のことをそういうらしい。他に浜名湖や宍道湖が有名だそうな。浜名湖は、わきを車で走り抜けたことがあったけどなー。
マップをみると、海とつながっている部分はまさしく今自分で越えてきた橋のところだけなのでした。
橋の上にはパーキングみたいなところがなかったので一瞬しか停車できなかったが、橋の上から十三湖方面をみれば湖だし、反対を見れば日本海。
海でもあり、湖でもある、なんか、不思議な感覚。良い眺めでした~(^_-)
向こう岸が、こんなに晴れているのにかすんで良く見えません… 琵琶湖を思いだしてしまいました(琵琶湖は、名古屋支店転勤時、仕事のついでに2回ほど立ち寄ったことがある)。そう感じるぐらい、でかい(実際には琵琶湖の方が大きいことはわかっているけれど)。
じゅうさん~みなとぉ~わぁあ~にしかぁぜぇ~つよくてぇ~♪
と、カラオケ“おはこ”の「津軽平野」を口ずさみながら、ん~、でも今はしばれないなぁ~暑いなぁ~と感じ、上のフレーズだけをリピートしながら、再スタート。
海岸線から離れ始めると、すげー山道!
竜泊ラインという道にはいったらしい。
舗装道路だけど、ここまじ国道なのか?と真剣に野生動物との遭遇を心配したくなるような大自然。日もかなり傾き始めているし、やばい、早く宿に着きたい、こんなところでコケたくない、と、コーナーを慎重に攻めまくっているうち、おそらくこの竜泊ラインでは最高高度だと思われるあたりに、「眺瞰台(ちょうかんだい)」とマップに書いてある、展望台のようなところに出た。まだ海沿いを離れてすぐぐらいのあたりからでも、山のてっぺんみたいなところにポツンとなにかの建造物がはるかに見えていたので、かなり前から「なんだあれ?」と気になっていたのだが、そのまま進んだ道路沿いに大きな駐車場とともに、津軽半島を一望できそうな展望台があったのである。
まさに、世界を独り占めって感じ。ここは、すごい!
なんでこんな海沿いで雲海が?と一瞬異世界転生体験しちゃったのか、と感じるほどな不思議さだったが、日本海上に発生した濃霧であった。このあと、巻き込まれて大変な目に会うことになります。
登りきつめですが、最高のワイディングロード。でもこけたら誰も助けに来てくれなさそうな人気の無さなので、慎重に…
実際、私が着いた時は一組のカップルしかいませんでした。平日だったしね。
そして、誰もいなくなった。
余計、“世界を独り占め感”が強まる。
しかし、竜飛岬まで行くのなら、ここも足を延ばしておいた方が絶対に良い。えらい眺めである。
あぁ、私の撮影技術では、なんかそこらの山並風景にしか見えないかも…
一番高いところにある「眺瞰台」というところまで登る階段はかなりきつかったですが、なんか、天に昇っていくような感じ。
↑ちょっと、いやかなり、死んでます。
タイマー掛けて階段に腰かけている所を撮影しようと思っていたのに、動きが悪くて手すりから手を離すのが間に合いませんでした~…(*_*;
撮りなおす気力もわかなかった…
はぁはぁ、はぁはぁはぁ 、はぁはぁはははのはぁ…×10行分ぐらい。
へ、ヘロヘロですぅ~~。
はあはぁはあはぁ…こ、ここがてっぺん。
疲れ切っていたのか、ラインで送り用の写真でしか撮ってなかった…失敗!
月も出てたのになー。あれー、普通のスマホカメラでも撮ってたと思ってたのに…記録が無い…??ライン用だと、画質わりー……
ちと、疲れすぎていたようです。もっとぐるりと撮影したつもりだったのにぃ~っ!
とにかく、ここの眺めはすごい!の一言。絶対後悔はさせません。当然、晴れたら、の大前提ですが、マジマジで、世界に俺一人だけしかいなくなっちゃったんじゃないのか? と勘違いさせてくれるような、静かで雄大な景色でした。
駐車場を出ようとキックしかけたら、遠くからこれはハーレーでしょ、とすぐわかるバタバタ音を響かせてバイクが昇ってきたようなので、「あれ、さっき道の駅で見かけた熟年タンデムツーリングのハーレーさんか??」という予感がして、駐車場に入ってくるまでちょっと待っていたら、やっぱりそうだったので声をかけた。
余計なおせっかいかなぁとも思ったが、「上の展望台、すげー眺めでしたよ!」と、あの階段を見たらこのおっさん、くじけそうになってしまうのではないかと感じ、あの風景はご夫婦で観ておくべきではなかろうかな、と、声をかけてしまった。なんか、縁も感じちゃったし…おそらく、この先まで行くのなら、泊まりも一緒だろうなぁ、と想像したのである。だって、泊まるとこ一つしかなさそうだったし…
ニヤッと手を振るオヤジと、ニコッと会釈してくれた奥様と、なんかいい感じのシンクロ動作にほっこりしつつ、「お先に~」と駐車場を後にした。
ちょっと上り気味の後、延々と下り。
そうしたら、先ほど日本海上で雲海のように見えていた濃霧の中に突然突っ込んでしまった。コーナーを曲がったらその先が真っ白! 慌てて前後ブレーキをかけてしまいました。
時速2、30㎞でのろのろ進んでいくしかない状態、道路脇はジャングルだし、前後は真っ白で見えないし、もう、ビビりまくり。冗談抜きで、このまま人界に戻れなくなっちゃうんじゃないの~…と心配したくなるような霧の中。緊張Maxで走行を続けていくうち、徐々に看板やら、何かの建物とかが見えてきて、やっと人の気配がするようになってきたのでほんとーにホッとしました。
ホテルに到着するころには逆にすっかり晴れあがってしまって、海の上の夕陽にこらシャッターチャンスじゃ!と秋田のリベンジもできそうな気配にワクワク。まだ時間がありそうなのでチェックインして荷物を部屋に入れ、SRを軽くしてからベストな撮影スポットを探しに出発。2分も走ると竜飛岬どんづまりの公園のようなところに到達、SRをあっちこっち停め直して夕陽を撮りまくり。
ぼんぼちぼちぼちさんからお褒めを頂けるような一枚もゲット。いい気になってタイトル背景画面に差し替えてしまいました(^^;
今回はたっぷり撮れたんですけどね、う~ん、なんか、やっぱ、俺、写真はセンス無いかも…
十分夕陽を堪能できたので、満たされた気分でホテルに戻り、ひと風呂浴びて一息ついてから、ソロツーリングにはちと贅沢な夕飯を頂きましょうかねぇ~とルンルン気分でいたら、大変な体の異常が発現してしまっていたのだ…! 初日から、なんてこった…
ちなみに、さきほどのタンデムツーリングさんのハーレーも、やっぱりこのホテルの駐車場に停まってました(笑)
この旅の結末やいかに。
続く。
再見!
泊まりでツーに行きたいなぁ==)
昔は奥さんには出張と偽って一週間のツーにも行ったものですが今は流石にできません^^;
高速を走っていても暑いだなんて、最近の暑さは異常ですね
by さる1号 (2021-08-07 08:40)
今日、明日と、ウチの奥様はお友達のお宅でお食事会やら山の方へ避暑ハイキングやらお出かけです。私がツーリングに行った後は、「復讐」されるかのようなほったらかし扱いを受けます。
さて、草刈りでもするか…
高速道路でもほんとーに暑かったです。みなさん、どんな対策していらっしゃるのか教えていただきたいです~(-_-;)
by 再見ライダー青三 (2021-08-07 11:55)
奥さんとタンダムなら・・・・
フルカウルでもネイキッドでも暑さは大して変わらないと(笑)。
ZX-14Rで福知山の40℃掲示の道を走った時は地獄だった・・・
by tai-yama (2021-08-07 19:26)
32,3度であの感じでしたから、40℃という数字がいかに過酷かは容易に想像がつきますね。い、いや、想像以上かな??
地球温暖化を阻止しよう!
といってガソリンを燃やすレシプロエンジンに跨っているのもどうかと思うが… とりあえず、好燃費走行を心がけるしかありませんね~。
by 再見ライダー青三 (2021-08-08 00:39)
2013年5月に竜飛岬まで走りました(笑)
眺瞰台の先に北海道の松前半島が見えました(^^♪
ただ上の展望台は登らず挫折したようです、ご苦労様でした。
青森行く時は「正観湯温泉旅館」が、おすすめですよ。
https://shoukantou-onsen.com/plan-rider.html
また青森走りたいな(^^♪
ついでに道南日帰りもいいかも
by ごろすけ (2021-08-08 10:23)
さっそく、スマホのマップに保存登録させていただきました♡
来年、弘前城公園桜祭りに行くとき、ついでに十和田湖あたりも走るのには絶好な位置じゃないすか! ナイスなお宿の情報、ほんとーにありがとうございます!「しょうかんとうおんせん」と読むのですよね?
必ず行きます~!
眺瞰台、晴れてたんですけど、海は濃霧で北海道方面は雲の下でした…(T_T)
by 再見ライダー青三 (2021-08-08 12:44)