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「うつ病による会見拒否」は、私にはその気持ちがとても良く分かる [モーターサイクリストの健康]

 大阪なおみ選手が、会見拒否の理由を、うつ病によるプレッシャーだと公表したが、私はこの大阪選手の行動が良く理解できる。

 ような、気はする。

 本人じゃないから、こればっかりは、そのプレッシャーの受け止め方の強弱が実際はわからない。

 深田恭子ちゃんの、適応障害なるものも、ストレスからくるんだろうから、およそ似たようなものなのか? よくわからないから言及しないけど…

 しかし、私もパニック障害、と分類されるであろう症状にしばらく苦しめられた経験があり、未だに時折、人知れず急激に発作に襲われることがあり、何が原因なのか全くわからず、非常に焦ってしまう時があるので、私は「うつ病」ではなかったけれども、「自分ではどうしようもない精神的な激しい動揺、気分の落ち込み」というものは、理解できる、つもりでは、ある。

 ちょっとそのレベルが比べようがないので、歯切れが悪いけれど…

 私の場合は、東京で、単身赴任のサラリーマン時代の話なのだが、満員の通勤ラッシュ時の地下鉄電車に乗ったりすると、急に心臓がどきどきし始め、冷汗が出てきて、吐きそうになり、まだ目的駅では無いのに電車に乗り続けられなくなり、症状がピークの時期は、途中下車してトイレに駆け込んで実際吐いたりしたこともあった。

 おそらく、仕事上のプレッシャーが背後にあり、上司との人間関係とか、さまざまな要因が積み重ねってはいたはずだが、それがおそらく、朝、通勤時の満員電車に乗ることで、無意識化で急激に膨れ上がっていた精神的なダメージを、風船がパン!とはじけるように表に飛び出させるのだ。

 わたくしにとっては「地下鉄の満員電車」がそのトリガーだったが、これを「敗戦後の記者会見」におきかえて想像してみると、確かに強烈なプレッシャーだと想う。

 果たして大阪なおみ選手がどんな感情になったのかはわからないけれど、私だったらおそらく「全く」耐え切れないだろう。

 カメラに囲まれ、意地悪い質問をぶつけて選手の動揺をさそい、目立って業界にアピールしてやろうと手ぐすね引いている記者達が待ち構えている会見場で、負けて最悪な気分の時に気丈に受答えしなければならない。もしもその会見場で、急に気分が悪くなって、皆の前で吐いたりした映像が世界中に配信されたら…

 なんて心配しだしたら、いやもうこれは絶対、出れないって、マジで。

 相手は「世界」なんだから、そのストレスのスケールは想像できないほどだろう。

 私だったら、その立場で、会見に出なければ、と考えた瞬間、おそらく心拍数が急激に上がり、冷汗が出始め、顔面蒼白、吐き気が襲ってくるようになるだろう。膝が震え、逃げ出したくなるだろう。いや、逃げ出すな、絶対。

 次のこの電車に乗らなければ、出社時間に遅刻してしまう、なんて考え始めたら、余計に吐き気が襲ってくるのだ。深層心理で、会社に行きたくないと思っているんだから、ある意味当然の反応ともいえるのであるが…。

 これは、他人から「なんで?」と聞かれても、自分自身が「どうなってるんだ!?俺は??」とわけもわからず動揺しているんだから、理由なんて説明できるはずがないのである。

 理由が分かっていたら、治せていますってばよ。

 花粉症の人に、おまえはなんで花粉症になるんだ、と聞いて、明確な答えを得られますか?体質、遺伝、免疫が暴走して…とかだろう、というなら、うつ病や、パニック障害、「自律神経失調症」も、同じように、ストレスで…としか答えようがないのである。

 解決方法はただ一つ、花粉が飛ばない場所に行くしかない。もしくは締めた家に閉じこもり、いっさい花粉を侵入させないようにするしかない。

 だが、普通の生活をしていて、そんな事できないでしょ、一般人に。

 パニック障害も、ストレスを感じない環境を作りだすしかなく、ストレスの原因である会社を辞めるしかない、と言うことだ。が。当然、辞めたら収入がなくなる、生活できなくなる、まだヨチヨチ歩きの子供三人、辞められるわけがない、それが更にストレスになる、だから、治らない、どころか、益々追い詰められていく感じになっていくのだ。

 適当に受答えしてハイハイとすぐサヨナラしてやりゃいいじゃん、というのは、自律神経が失調したことのないうらやましい方の考え方だ。パニック障害を患っている人間には、花粉症じゃない人が、花粉症の人に「根性で鼻水出すな!」と言っているようなものに感じられるのである。花粉は、そこらじゅうに漂っているというのに…

 女性アスリートで世界でトップの稼ぎをあげている選手なのに、そんなに脆弱なメンタルなはずはない、と、考えがちだが、余計そういう「常識」が当人をさらに追い詰めてしまう。

 あのイチローだって、記録がかかった打席の前では、グラウンドに足を踏み入れるとき緊張で吐きそうになる、と、NHKの特集かなんかのインタビューで言っていたと記憶する。

 実際、年間安打数の記録直前の試合での打率が、極端に悪くなっていたはず。

 あの、イチロー選手でさえ、そんな精神状態になるのである。

 私も、学生時代格闘技系の部活動に所属していたので、周りから「打たれ強いヤツ」的な見方をされてしまいがちで、自分でもそういう期待に答えたいとばかりにタフネスな雰囲気を装ったりしようとしてしまうので、余計に、誰にも弱音を吐けなくなってしまう。

 どんどん、追い詰められる。

 会社のフロアで他の社員や女性事務員の前で上司から怒鳴られ続けても、不敵な面構えで泰然としているように見えるが、その内面ではビビッて今にもつぶれそうな自信を必死で支えているのである。

 要は、ただの人間なんですよ、誰でも。あのゴルゴ13だって、時には動揺して汗をかくシーンもあるではないですか。

 

 実は、意外と身近な家族の方が残酷であったりする。

 気にするな、という意味なのは十分分かるのだが、気になってしまうからそういう症状が出るわけで、当人を気楽にさせようと発せられた「気にするな、」とか「気のせいでしょ」という言葉が、本当にキツイ一言なのだ、ということが根っこの部分で理解できない。

 自分を思ってくれての発言ということがわかるだけに、「なんとかしなければ」という気持ちが、それがまたプレッシャーになり、ストレスに変化し、重ねて、キツイ。

 病院やら、外部の人に相談すれば「大変ねぇ」「それは苦しかったですね」とか一応心配してくれているように装ったことを言ってくれるからまだ気が休まるのだが(内心はよくわからんが)、家族はへたに一緒に住んでいるだけに「気のせい」なのが良く分かっているから、あまり親身な態度をとりすぎるのもわざとらしい。ので、あっさりと接したがる。

 まぁ、それがたいていはありがたいのだが、他の家族が地元の友人の話とか、出身学校の話とかをしているとき、独り地元では無い異邦人感を味わったりすると、普段は気にならないのに、家族の対応の全てに対して、ふと、孤立感というのか、家の中での孤独感を感じたりして、そんな時は仕事部屋にこもり勝手に益々追い込まれていくような不安感に苛まれてしまう。

 そう、まさしく、「気のせい」なのだ。

 だからこそ、始末に負えないのだ、ということが、当人以外にはわからない。そりゃ、そんな感情、わからなくて当然なのだ、周りの人間には。

 「気のせい」だから、逆に、具体的にどうすれば治るのか、薬を飲むとか鍼を打つとかマッサージするとか、これといった決められた具体的な治療法が無いのだ。「気のせい」なんだから、その「気」を持っている人「だけ」分の、それぞれの解決方法を見つけていかなければならないのである。十人十色なのである。

 ストレスを解消しなよ、なんて、簡単に言ってくれちゃうが、じゃぁ、『ストレス』って、いったい、なんだ??

 俺のストレスを、これ、それ、あれ、と、ひとつひとつ具体的に分類して整理し、具体的な解消方法を個別に指摘していただけるのかな?

 できるなら、してほしいよホンマ。

 ストレス解消のために、貯金全部持ちだし、SRで日本一周に飛び出して行って、3ヶ月後にぶらりと帰ってきても、文句言わない?

 

 …それなら、治るかな…!

 

 いや、治るかも!!!

 

 治るな、きっと!!!!!

 

 

 ……いやだめだ、カミさんの鬼の形相が脳裏に浮かび上がり、きっと『そのストレス』で心臓発作か脳溢血を起こしかねない。

 帰ったら、コタツの上に「離婚届」が、ハンコを重石に置いてあったりしたら…

 あ、ぁ、そんな想像してたら、また心臓がドクンドクンしてきたぞ、やばっ!

 想像力が、ありすぎるんだよなぁ、特に、「悪い方」の…(*_*;

 でも日本人は、「不安遺伝子」とかいうものを持っている人が多いそうである。

 なんかの番組で脳科学者みたいな方が説明されていたが、なんでも、日本は自然災害が多いので、もしかしたら洪水になるんじゃないかとか、崖崩れがおきるんじゃないかとか、地震で家がつぶれちゃうんじゃないか、とか、そういう「不安」を感じやすい人が、実際生き延びる可能性が高いので、そういう「遺伝子」を持っている人が多くなっているそうな。

 もろ、私は、その「不安遺伝子」なるものが絶対濃厚に蓄積されていると想う!

 バイク乗ってても、ブラインドコーナーはビビッて絶対突っ込めないし、狭い市街地の道路は子供が飛び出してくるんじゃないかとハラハラだし、まぁ、それが安全につながっているわけだから「良いこと」なんだろうけど。

 バイクの運転には、ね。

 

 

 

 …貯金おろして日本一周、とかの冗談はさておき、全く、自分なりの「現実的な」解決方法を、模索し続けるしかないのである。

 パニック障害だけが原因ではないが、遠因の一つとして、私は会社を辞めざるを得なかった。大阪なおみ選手も、プロテニスの世界では記者会見も“プロとしてのプレイのひとつ”、なんだろうから、本当に嫌ならテニスを辞めるしかないのではなかろうか。

 厳しいことを言うようだが、でも、それが本当に原因でうつ病になるというのなら、辞めるしかない。

 あれだけの才能を…、と惜しむのならば、周りの人間たちがサポートして立ち直らせるしかない、と簡単に言うが、だが、周りの人間が「もっと稼がせたいから」なんて意図で、辞めるな、続けろ、しっかりしろ、と言うたびに、症状は悪化していくと思った方が良い。

 何もテニスだけが人生ではない。好きなら趣味でも続けれられる。本当に大阪選手のことを思ってあげるなら、「もう辞めなよ、違う人生送ろうよ」と言ってあげるべきだと私は思う。

 はっきり言って、「今の」大阪なおみ選手には、テニスを辞めることが「最善の治療法」であるはずだ。

 もしかしたら、伊達公子選手のように、そのうち「本当に」テニスを楽しむことができるようになったら、数年後に復帰して、グランドスラム最年長記録を更新、なんて事ができるかもしれないじゃないの。

 そういえば、伊達公子選手って、今何してるのかなぁ。なんか、今の大阪なおみ選手と対談してもらいたいような気もするが…

 精神的に追い詰められている人たちへの、ものすごく参考になるアドバイスがたくさん飛び出す会話になりそうな気もするんだが? その全く逆かな…??

 全くあてどもない話ばかりをしている気がするが、しかし、それが「精神的な病」というものの現状なのではなかろうか。 

 治るも八卦、治らぬも八卦、どんな結末になったとしても、まぁ、「気にしない気にしない」、という精神状態に心底本当になれた時にしか、「根治」は見込めないんじゃないのかなぁ、と、自分の症状を顧みつつ、そんなことを想う今日この頃、でありました。

 

 当然、未だそんな精神状態にはなれておりませんよ。はい。

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